2020年1月27日月曜日

システムの費用対効果 〈Python AI ニューラルネット - MNIST その3〉


中間層7セルのニューラルネットで MNIST 認識率 96% まで来ました。前処理に左右 22.5° の回転を入れたのですが、これが効きました(前回はこちら)。


種明かしです。MNISTの画像を見ていたら、左右上下のブレよりも回転のブレのほうが目立っていたのです。45°まで回転させると別物になってしまうのでその半分にしました。トレーニングデータを左右22.5度ずつインフレートさせる考え方もあるのですが、トレーニングデータにならなくなること(悪筆化)を考えて、テスト時に0°、左22.5°、右22.5°で結果を出し、どれか正解があれば良しとしました。

プリミティブな仮説検証でしたが、この路線で進むのであれば、トレーニングデータを精製し、テスト時によりバリエーションの多い前処理を行い正解を探すことになるでしょう。さらに次の段階となると、コンテキスト、前後関係から正解候補のバイアスをかけることになります。構造化された知識情報システムの一部、一次情報の認識エンジンとしてのニューラルネットという扱いです。実用性も高く、仕組みとしても面白そうですね・・・と、ここまで書いて昔の記憶が蘇ります。お気づきの方もいるかもしれません。第五世代コンピュータ、30年前のニューラルネット・ブームもここで壁にぶつかりました。一次情報の分節化、知識表現と記憶、推論、仮説など、ここからが本当のAIです。実用化までに必要な費用、時間は桁違いと見てください。1年、2年ではありません。¥1億、¥2億でもありません。
永島志津夫

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