2020年3月27日金曜日

テレワーク 〈コミュニケーション/コラボレーション〉

残念ながら新型コロナウィルス感染まだ落ち着きませんね。2月から3月にかけて気温は上昇しましたが関連性は薄いようでした。感染予防の在宅、テレワークという働き方が広がりつつあり、これを契機に仕事上のコミュニケーション、コラボレーションのあり方も変わっていきそうです。


都内の最新感染動向東京都の新型コロナウィルス感染症対策サイト)によると 3/26の
検査陽性者数は50人前後です普通の風邪症状で終わってしまう人は検査にかからないので東京都トータルでの感染者数、感染率はわかりません。検査は2182人に行われており陽性率は12% 、 8人に1人です(8人に7人は予防的検査か、症状はあるものの別のウィルス・細菌感染の可能性)。検査陽性者の状況をみると累計259人中、死亡5人となっており死亡率は 約 2% となるのですが、そもそも市中肺炎で入院した場合の死亡率は 9% 前後と高いものです。肺炎は日本の死因の第4位で年間約12万人が肺炎で死亡します東京都健康安全研究センター年報 69巻 )。重症者15人+死亡者5人との割合で、死亡率は  5 / (15+5) = 25% ですが、重症の市中肺炎の死亡率が 22% 前後なので特別な数字でありません(市中肺炎患者死亡率ー全日本民医連)。感染率、重症化率が謎のまま不安が広がっています。肺炎について高齢者と喫煙者は要注意ということで、これは新型コロナに限りません。私は幸い気管支炎までで済みましたが、かって子供にとって肺炎は死の病でした。

今回の新型コロナは試練ですが、救いは乳児・小児の症例が少ないことです。もしもインフルエンザのようにも乳児・小児にも重症例をもたらすものであったら、騒ぎは想像を絶するものであったと思います。世間の騒ぎの割には医療現場は静かなもので、この時期にしては内科・小児科の患者さんが非常に少ないのです。インフルエンザの早期終息により日本全体で今シーズン500人以上の命が救われました(前回の投稿)。全国的な予防衛生対策の副次的な成果として小児疾患の川崎病と赤ちゃんに影響を及ぼす風疹が減少することを願っています。

人口1400万人の東京で新型コロナ肺炎の死亡者は現時点で5人です。これを、常態化している通勤過密等から既に高いレベルにあった衛生マナーが一層高められた結果と考えることは楽観的過ぎるでしょうか。あと1ヶ月が勝負のようです。過労厳禁、人混みでは口を閉じていましょう。あと手洗いを忘れずに。接触感染防止に手袋を。

話は変わりますが、テレワークご多分に漏れず私も経験しました。通勤および職場での新型コロナ感染予防を目的としたものですが、通勤がなくなった途端、仕事場として会社は副で、自宅が主という感覚になります。不便を感じつつもこれはこれでいけるとなると、この流れ元に戻せないかもしれません。

不便というのはコミュニケーションです。テレワークは仕事のコミュニケーション、コラボレーションのスタイル疎結合スタイルに変えますね。いくらツールを使っても同じ職場で近い距離に同僚がいることと同じにはなりませんし、あえて同じようにしなくても良いかと思いました。メリットとデメリットを踏まえスタイルを変えていけば良いと思います。

(テレワークが成立する前提)
職務能力を持ち社会で自律している
・人に頼らずこなすことができるタスク

(メリット)
・人の目や雑音、つきあいたくもない雑談もない。人間関係のストレスが減る。
 チャットができるといっても仕事ですからハードルができます。リアルタイムに応じる必要もありません。
・休憩やちょっとした家事をはさむみことで仕事に対する集中力が回復する
 集中とリラックス、頭を使うことと体を使うことを織り交ぜるのが集中力持続のポイントだといわれます。結果的にテレワークはバランスのとれた時間の使い方ができます。
 個人中心、他人は他人という感じです。

(デメリット)
・自律できないと無為に時間が過ぎるだけになる(人の目がないのでさぼりやすい
 他人依存的な人には不向きです。
・ライバルや手本となる人を見ることが出来ない。組織ならではの成長圧力がない
 先輩が様子をみて助けることができません。指導には限界があります。
 自律前提=他律不向きです。またチーム一体で瞬発力発揮も難しいかもしれません。

仕事にもよると思いますが、ITプロジェクトでテレワーク、疎結合型組織で働けるようにようになるのは30代からでしょうか。社会人としてある程度成熟し、専門能力をもち、それを裏付ける経験を語れるレベルでないと難しいと感じました。新型コロナ対策を契機に過密社会の是正に加えて、自律した個人が能力を発揮しやすい世界、他律組織から自律組織への変化が進めばと思います。ティール組織というのでしたっけ?
永島志津夫