2020年3月4日水曜日

データ解析 〈2020年インフルエンザ流行終息!新型コロナはいつ?〉

新型コロナウィルスに関心が集中する一方で、インフルエンザの流行は終息しようとしています。年明け以降、患者数が急激に減少しシーズントータルで例年の半分程度となりそうです。およそ500万人がインフルエンザに罹らず済む見込みです。日本におけるインフルエンザ発症者の死亡率は約1万分の1なので500人の命が救われたに等しいことです。


こちらの患者数推移のグラフをご覧ください。東京都感染症情報センター インフルエンザの流行状況
今シーズンは例年より早く11月頃からインフルエンザの流行が始まりました。しかも、2009年に大流行した新型インフルエンザ AH1N1pdm09 の再流行で、患者数も急激に増加しました。
年末までは感染拡大が心配されていたのですが、年明け以降は急速に患者数が減少したのです。今シーズンの患者数推移が特異であることは、過去の推移との比較でも良くわかるかと思います。
一方、北米では2月時点で2600万人以上が罹患という状況です。AH1N1pdm09の怖さを物語るものです。ではなぜ日本で感染を抑え込むことができたのでしょう?コロナを契機とした予防対策でしょうか?人混みを避けることはインフルエンザに対する確実な予防策です。でもそれだけでしょうか?

暖冬傾向にあったことにも理由を求めることができるかもしれません。空気の乾燥は上気道粘膜を乾燥させ、ウィルス感染の初期フェーズ “細胞への吸着” の可能性を高めます。低温は体力を奪い、感染から発症までの可能性を高めます。

東京のコロナウィルス患者数が人口比で少ないことは気象条件が感染を左右していることを表しているのかもしれません。そうならばこの先の見通しを立てることもできます。もっとも患者が疎らな状況で結論を導くことは難しいです。3月初め現在の都道府県別患者数で、検定にかけられるような無作為抽出性を主張できそうにはありません。報道されているように偶発的な事象が患者発生の原因になっていると考えるほうが自然です(たまたま、あるイベントがあったために○○県では患者が発生したなど)。
予防対策の勝利なのか、天の恵みのおかげなのか、どうも判然としません。例えば次の情報から仮説を立てることはできるでしょうか?
都道府県別情報 インフルエンザ 新型コロナ
インフルエンザと新型コロナの流行に地域的な重なりを見ることはできますが・・難しいですね。

ひょっとしたら来週手掛かりが訪れるかもしれません。
3/9-14の週は千代田区の最低気温は10度を上回る高温予報です(3/4時点の10日予報)。
予報通り高温で推移したとして、東京都のインフルエンザ、新型コロナの新規患者発生数
がどうなるか?貴重なデータが収集できるかもしれません。

時流のテーマを題材に歯切れの悪いデータサイエンス、サイエンスにもなっていないお話しをしてしまいました。ただ実際、データサイエンティストが扱うテーマもこんな感じです。データに走る前に状況、基本理解に努めます。感染症の流行と終息要因の仮説として気温に注目している段階です。機械的に割り振りができるものは既にシステムに組み込まれています。結論を急がない、人間領域ではあえて機械と違う心構えでよいのではないでしょうか。
※週末は薬剤師業務をしており小児科、内科の患者さんと接しております。現場感からこのような投稿を上げた次第です。
永島志津夫


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