2021年6月5日土曜日

大企業よりも難しい?中小企業のシステム導入

大企業のシステムプロジェクト、バリューエンジニアリングのお手本になることはまずありません。何故でしょう?
  1. 30%の保険コスト
  2. 10%以上の事務局コスト
  3. 10%前後の承認待ちコスト
  4. 30%のエンジニア・マージン
  5. さらに機器、ソフトウェアなどの調達品のマージン

    どれもこれも、ユーザ、発注者からすると腹が立つコストですよね。トータルで2倍前後になります。機能、性能、品質は変わりません。納期も短くなりません。システムの寿命が長くなるということもありません。まったく最低です。

    でも大企業側が自分で責任を持つから、安くしてくれという話は聞いたことがありません。システムプロジェクトの失敗が怖いからです。

    しかし中小企業の社長さんが、こんなバカげたコストを認めるでしょうか?システムインテグレータが中小企業を避ける理由の1つがこれです。

    ホームページくらいなら目をつぶるにしても、気になるのは販売管理、在庫管理システムです。IT業界も20代で辞めてしまうことが多く業務知識まで頭に入っているエンジニアは大手でも多くはありません。業務要件は大企業でも中小企業でも変わりません。あたりまえですが勘が働かないと要件定義は出来ません。出来ていないことすら気付けません。

    冒頭のバカけたコスト、要はシステムインテグレータの教育代です。大企業は払えても中小企業は払えません。実は中小企業のシステム導入は経験者にしかできません。中くらいのエンジニアでは出来ません。しかし規模の小さい案件に限られた経験者をアサインすることはシステムインテグレータの商売の理屈として成り立ちません。これが理由の2つ目です。

    売上高100億円から1000億円の事業だと、オフコン現役というところも珍しくはありません。IBMだと AS/400、NECだと A-VX、他富士通など。そろそろ寿命も尽きます。そこで新システム構築なのですが、パッケージソフトがはまりません。大企業では逆にパッケージソフトやERPからの移行という案件も聞きます。だいたい無理にパッケージ、ERPをはめ込んだシステムは寿命が短くなります。パッケージの方が費用対効果が高いとは限りません。

    お医者さんや、大工さん程ではありませんが、システムエンジニアにもヤブと腕利きがいます。腕利きにあたれば同じコストで、タフで使いやすく、長期にわたり安心、安全に使えるシステムが出来上がります。大手に依頼しても運が悪ければ、そもそもプロジェクトが進みません。疑問があればご相談ください。

    永島志津夫
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